
大阪で活動している認定ドッグビヘイビアリストです。
南イリノイ大学で犬猫の基礎栄養学~臨床栄養学を学び、総合栄養食の手作り食レシピ作成も行っています。
カウンセリングで飼い主様とお話していると、ドッグランについてのご質問を良く頂きます。
ドッグランは、楽しく犬同士で遊んだり、たくさん運動できたりと良い反面、犬同士のトラブルや喧嘩が起こるリスクもあります。
ただし、ドックランでの犬同士のトラブルは人の対応次第で未然に防ぐことがで
きるものもあります。
本日は、ドッグランで起きた犬同士の喧嘩の動画を解説いたします。
ドッグラン内での喧嘩!
引用)BIG Dogs Fighting in Dog Park
まずは、この動画をご覧いただけましたでしょうか。
アラスカンマラミュート(おそらく)とラブラドールが喧嘩していますね。
実は、この喧嘩は思いがけず急に起きたのではなく、伏線が多数あります。順を追って犬の行動をみていきましょう。
POINT① 10秒:ドッグラン出入口に犬が群がる
まずは、動画10秒あたりに注目してください。ドッグランの出入口に人や犬が群がっています。
このように、犬(や人)が出入口に密集しているときは、トラブルが起きやすい原因となります。新しくドッグランへ入る犬は、入口に犬が密集していると、恐怖心を抱きやすくなります。
一方で、多くの場合ランの中にいる犬達は、新入りの登場に興味津々です。新入りがランの中に入った途端に、既にいる犬達が群がってきて、新入りがパニック!そして、攻撃的になってしまうケースが、特に怖がりでドッグランに慣れていない犬の場合よくあります。
POINT② 35秒:アラスカンマラミュートに注目
35秒あたりのグレー色のアラスカンマラミュートに注目してください。出入口に留まって中に入ってきそうな犬に興味津々な状態ですね。
今から入ってくる犬にとっては、少々威圧的に感じます。
POINT③ 1分5分:喧嘩が始まる
1分5秒あたりからハスキーとラブラドールの喧嘩が始まりました。
ここで注目して頂きたいのは、ラブラドールがリードをつけている点です。「犬の「礼儀正しい挨拶」とは?挨拶中に喧嘩になる原因3つのシチュエーション」でもご説明した通り、犬がリードで引かれる状態は、体を拘束され、逃げ場が無くなるため、犬に緊張を与えます。そこで次は「戦う」という選択肢が出てきます。
喧嘩になる前が撮影されていないため断定はできませんが、出入口に犬や人が多人数いたことから少しナイーブになっていた可能性があります。
また、ラブラドールはリードをつけた状態でドッグランの中に入っています。アラスカンマラミュートに近づかれ、不快感(もしくは恐怖心)を感じたラブラドールはリードで繋がれ、逃げることが出来ず、攻撃に転じた可能性が考えられます。
おまけ 1分5分以降:他の犬に注目
犬が喧嘩(興奮)すると周りの犬も興奮が伝染してしまいます。
喧嘩が始まったらすぐに、ビーグル2匹走って近寄っています。そして1匹は吠え始めていますね。本来、自分には全く関係のない揉め事であるはずが、急に犬達が「喧嘩している犬達」に近づいてきたのは、興奮につられて寄ってきたわけです。
ドッグランに入場するときの正しい方法

このようなドッグランでの犬同士の喧嘩は、人の対応次第で防ぐことが出来ます。
まず、ほとんどのドッグランは犬の逃走防止のため二重扉です。出入口に犬が多いときは、1つ目の扉に入ったら、すぐに2つ目の扉に入らず一旦待ちましょう。
既に中にいる犬達は、新入りの犬に興味津々なはずです。中の犬たちは網越しに匂いを嗅いだ後、少ししたら離れていくはずです。
たまに自信家な犬や興奮している犬が、出入口から離れてくれないときがあります。その場合は、その犬の飼い主に犬を離してもらうようにお頼みしましょう。特に、怖がりな犬や威圧的なことをされるのを嫌う犬は、喧嘩になる可能性が高くなってしまいます。
2枚目の扉を開けたら、入り口付近でとどまらずに、奥の方へ速やかに進みましょう。新入りに興味がある犬達が集まってきます。そして、犬の密度が高ければ高いほど、人間でいう「肩がぶつかったで、どないしてくれるんや!」といった喧嘩が起きやすくなります。
最後に、他の犬が喧嘩をした場合は、速やかに自分の愛犬を確保してください。先ほどにも述べましたように、犬の興奮は他の犬に伝染しやすく、全く自分と関係のない喧嘩でも興奮して、喧嘩に参加してしまうことがあります。
犬のボディーランゲージを勉強するにはとても良い動画ですので、何度も見直してみてください。
ドッグランを安心して楽しむために、トラブルを予防して楽しみましょう!